ようやく「12人の優しい日本人」を見た

昨日、深夜放送で「12人の優しい日本人」をやっていたので見た。以前にも一度TV放送された時に録画したんだけど見ないうちに見失ってしまっていたので今回初めて見ました。三谷幸喜脚本で監督は「ボクの女に手を出すな」「櫻の園」の中原俊。1991年作品。
豊川悦司が出てますが、NIGHT HEADの前年なのでまだ無名の時期ですね。前半は一人離れて議論を傍観してますが後半活躍します。
また、ついこの前まで「新選組!」で新見錦をやってた相島一之(これも若い)が、「怒れる男たち」のヘンリーフォンダの役(有罪・無罪が逆ですが)。被害者への反感から非論理的に「もし有罪でも無罪だ」と固執する役が梶原善。他の皆もキャラ立ってて面白いです。

話としては、殺人事件の陪審員の議論で、無罪11人・有罪1人から議論が始まり(陪審は多数決じゃなくて全員一致に至らないと、陪審員の再選定からやり直し)、有罪と思える根拠がどんどん出てきて有罪論者が増えていきますが、また無罪に戻す人もいれば、頑固に有罪や無罪を貫く人もいる。
タイトルが「12人の優しい男たち」とか「12人の優しい人たち」(女性もいるので)じゃなくて「日本人」になってますが、各人が有罪・無罪をころころ変えるのとその変える理由がいかにも日本人らしいということからでしょう。
以下ねたばれなので、文字色を背景色に変えますが、カーソルで選択すれば読めるでしょう。

相島さんがヘンリーフォンダの役かと思っていると、議論中で平気でずるしたり嘘ついたりするし、最後で実は自分の境遇を事件に重ね合わせて有罪を主張していたことが判明。感情的にしゃべりますが、もう11人は冷静になってる。つまり「怒れる男たち」で最後に泣きながら無罪を認めた人と二人分の役をしていたことになります。これは中々面白い。

ところで、最初に飲み物の注文を取りまとめますが、皆バラバラにしゃべる上に人の注文をきいてコロコロ変える(議論で意見がころころ変わるのを暗示)ので、きっと届いた時は注文が合わないというシーンがあるのかと思い込んで見てましたが、配達された時には誰も文句を言わなかった。注文が合ってたということです。この時点で意見がまとまることも暗示していたのか?

レンタルビデオ屋ではあまり見かけない。DVD欲しいところだけど邦画のDVDは高い。
12人の怒れる男たち」を見たひとも見てない人にもお勧めですが、先に「怒れる男」を見ていた方が楽しめるでしょうね。