「HERO英雄」

TVでやってたので見ました。公開時にはアクションに重点を置いた宣伝のようだったけど、内容としては、新本格ミステリのような何重にも重ねられた真実。何が真実なのか順次ひっくり返らされていく。

秦の役人「無名」が秦王を狙う刺客「長空」「残剣」「飛雪」の3人を倒して秦王に謁見する場面から始まります。

アクションはそれほどすごくない気がする。が、それぞれの闘いのカラーの様式美がいい。長空との想像上の白黒の闘い、最初に無名の語る残剣・飛雪・如月の赤の闘い、その嘘を見抜いて秦王の語る青の闘い、最後に無名の再度語る真実の白の闘い。残剣の語る3年前の緑の真実。

結局タイトルの「HERO」は、秦王政のことだったんでしょうね。残剣の書から剣の道の奥義を悟った。時代に早すぎた興味深い人物だ。絶対君主の孤独を描いた物語は多いけどこれもその一つでしょう。

ちょっと残念だったこと。最初に倒して死んだと思っていた長空が実は生きていたことが明かされるのはちょっと余計だったかも。あと、近衛兵のエキストラって爺さんが多かったけど、顔が映るくらいの人は若者を配置して欲しかった。

英雄 ~HERO~ スペシャルエディション
レントラックジャパン
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