「人は海辺で進化した」

久々に本の紹介でも。人類発生のアクア説の入門書である。
人類が他の霊長類と大きく異なるいくつも点、
・無毛
・皮下脂肪
・直立
・涙
・対面セックス
・意識的な発声
・潜水反射(水にもぐると脈拍数が減少する)
などがすべて水棲の哺乳類の特徴との関連で説明される。ただし、人類の祖先の場合、水棲というよりは海辺での生活というところ。
後半では東アフリカの地殻変動の状況から、それが起こった「島」(当時)も特定している。一旦は海で周りから隔離され森林が枯れてしかたなく海辺での生活に移り、その後また陸続きになったときにサバンナ生活に移った。とまあここまではどうかわからないが、森林→海辺→サバンナという生活の場の推移はまず間違いないところであろう。


思えば、高校の生物では「ミトコンドリアは元は別の生物だったという説がある」と習ったが、現在では当然のこととされている。私の孫の世代では「人類の祖先が森林から海辺に移ったのは〇百万年前」と習うことだろう。

人は海辺で進化した―人類進化の新理論
エレインモーガン, ElaineMorgan, 望月弘子
どうぶつ社
1998-03 ¥2,310